俺と彼女の物語
- 2017/04/30
- 18:24
コミック1☆11、キャラクター1参加された皆様お疲れ様でした~
Blue Featherのスペースに来ていただいた皆様ありがとうございました!
スペースに自分がいない時間に来ていただいた方、申し訳ありませんでした。
差し入れもいただきありがとうございます。
おいしくいただきました。
今日の日記は本日配布した新刊のSSを公開します。
昨日の日記にも書きましたが、本当誰得な内容になっていますので、それでもいいという方はお読み下さい~
「・・・・・・はい、・・・・・・はい、・・・・・・・・・・・・そうでしたか・・・はい、失礼します」
電話をかけてきた人が電話を切るのを確認してから、俺はスマホの終話ボタンをタップした。
電話の相手はいつも作品を応募している大手出版会社の編集部の人だった。
先月に応募したラノベの新人賞の最終選考の結果についての電話だった。
そして、〝今回も″俺の作品は当選することができなかった。
「今回は本当、惜しかったよ。最終選考にまでは残ったんだけどね。
ただ今回は……。いや、なんでもない。
また応募待っているからね」
俺の名前は倉端細矢。
ラノベ作家を目指している、日本本土の大学に通う学生だ。
学年は3年。
ゴールデンウィークが終わり、いよいよ周りは就職か、大学院を受験するか、という話が出始めている今日この頃、俺もこのまま夢を追いかけるべきかそれとも諦め、就職するか、について悩んでいた。
1度目は1次選考。
2度目と3度目は二次選考まではいった。
そして4度目の今回は最終選考。
成長してはいるのだろうが、結果はいづれも落選。
どうするべきかな。
「細にぃ~」
俺が悩み始めたタイミングで、聞き慣れた声が聞こえ、ドアがノックされたが、俺が返答する前にドアが開いた。
「電話終わった?」
「ああ。
しかしお前相変わらずノックの意味を理解してないみたいだな」
「ああ、ゴメン、ゴメン」
さっき知らされた結果もあって、小言を言ってしまう。
入ってきたのは弟の直太。
GWにアクア・エデンに行ったが結局お目当ての店に行けず帰ってきたヘタレな弟である。
「何か用か?」
「これ、細にぃにお土産。
後、改めてあの件に関しては迷惑かけて本当申し訳なかった」
「ああ、もういいよ。これで懲りたろ。二度とするなよ」
かなりアレなことをしようとした弟を許してしまうあたり俺は甘いんだろう。
そんなことに構っていられないという気持ちもあるが。
「お詫びになんかするよ。俺が力になれそうなことない?」
「う~ん、そうだな……」
俺は考える。
あ、そうだ。
「じゃあ、お前ちょっと俺の原稿読んでみてくれるか」
「原稿?」
「ああ、実は俺、ラノベの新人賞に応募してたんだが、」
「ラノベの新人賞!?細にぃが!?」
「あ、ああ……」
「すげぇ、細にぃ作家になるのか!もしかしてさっきの電話ってその連絡!?」
「いや、まあ、内容はそうなんだが……」
「細にぃ?」
「落選の電話だったんだ……」
「……ご、ごめん」
「まあそれはおいておいて、客観的な意見が聞きたくてな。
お前に感想を聞きたいんだ」
「そういう事ね。
わかった、じゃあ早速読ませてもらっていい?」
「ああ、じゃあメールで送る」
「了解」
俺は今までの原稿を圧縮し、直太のアドレスに送った。
「う~ん、面白いんだけど、なんか中途半端」
数時間後。
直太はあっという間に俺の原稿を読み終えた。
「最初の頃のに比べてどんどん面白くはなったと思うし、最後のギャグコメはお色気なんかもあって個人的にも刺さるところがあったんだけど……
そのお色気の部分が特になんか違和感があって、とにかく微妙だった」
「そうか……」
「まあでも真面目な細にぃがあんな展開にできるなんて思ってなかったよ」
「最近の流行りを入れてみたつもりだったんだが……」
「ああ、まあ最近のラノベはそういうの確かに多いね」
「俺も他の作家さんの本を読んで研究はしてみてるんだけどなぁ」
「ところでさ、細にぃは挿絵や表紙誰に描いてもらいたいの?」
「は?」
「ラノベ作家目指すって事は自分の考えたキャラを描いてもらいたいイラストレーターさんくらいいるでしょ」
「…………いや」
「え、マジで?
じゃあ今までどんな風に文章書いてたん?」
「こんな展開になれば面白いなと思って書いていたんだが」
「その時キャラ達の掛け合い意識したら自然とキャラクターが頭に浮かんで来るもんじゃない?」
「そういうものか?」
「……細にぃ、多分これだわ」
「何が」
「違和感の理由。キャラの動きがどうもちぐはぐなんだ。
外見とか性格は説明されてるから、俺はそれを好きなイラストレーターさんが描いたらこんな感じになるだろうと思って読んでたんだけど、違和感を感じたのはそれだったんだわ。
シーンが途切れ途切れになることがあるのは、細にぃがキャラクターがどう動くか意識してないからじゃないかな」
「……そういうことか」
「細にぃの話は面白いと思う。最後のは特に。
細にぃはそこを克服できれば今度こそ……
よし、そうと決まったら細にぃがキャラを描いてもらいたい人を探そうぜ!」
「ああ、早速ネットで調べてみるか!」
直太にアドバイスをもらった俺は早速インターネットで画像を探し始めた。
理想のイラストレーターを求めて。
数ヶ月後。季節は夏真っ盛り。そんな夏の中旬、おぼんの時期に、俺は東京の有明にいた。
あの後インターネットを探していたら、とあるイラストレーターがやっていた生放送を見つけた。
どうやら雑談をしながらイラストを描くという内容らしい。
何気なく見始めたその人の生放送はイラストの顔のラフが半分くらい完成したあたりから目が離せなくなる。
イラストの上手さはもちろんだったが、俺は言葉では言い表せない何か不思議な感情を抱いていた。
その時だった。コメントに今回のキャラは何のキャラかという質問があった。
それに対して、生放送主は答える。
「あ、そういえばまだ言ってなかったね。今回のキャラは端倉細矢先生のウェブ小説、『吸血鬼と闇の実験』に出てくるヒロインの……」
「!!!」
俺は衝撃を受けた。この人が描いているのは、俺が初めて書いてネット公開した作品のキャラクターだった。
イラスト投稿サイトに小説も投稿できるようになったということで、試しに投稿したのだ。
そういえばフォーマットにキャラクターのイラストの作成についてという欄があり、許可にチェックを付けていたを思い出す。
やがて自分が文章で書いた通りのキャラクターが完成した。
「……見つけた…」
「細にぃ?そっか、おめでとう」
「この人が俺の理想の……」
こうして俺は理想のイラストレーターを見つけた。
そしてこの人ならここはこんな風に描くのではないか、ということを常に意識しながら書いた次の作品。
ついに俺は入賞したのだった。
今日はその人のサークルが参加している同人誌即売会に俺は初めて来ている。
初参加ということもあり、右も左もわからない状態ではあったが、なんとか昼下がりに目当てのサークルスペースにたどり着いた。
サークルの机には完売の張り紙。
片付けをしている女性の人に声をかける。
「あの、うりしゃり先生は……」
終
かなり昔に天神乱漫の前原の漫画を作りましたが、久しぶりに原作に立ち絵がないキャラを主人公にした作品にしました。
しかも今回は設定上いるというだけで、ボイスもなければ台詞すら本編に出てこないキャラクター・・・
そして唯一出てくるちゃんと立ち絵とボイスもあるキャラは男性キャラだけという、もう殆どオリジナル作品になってしまいました^^:
しかもこれの続きを夏コミで作ろうとしているっていうね。
あ、でも次回は一応ヒロイン出てきます。
最後に主人公が言う台詞に名前だけ出てるうりしゃり先生がw
あと荷物片付けてるサークルスタッフさんもw
こんな話でもよろしければお付き合い下さい。
それでは最後に昨日のゆいにゃんライブ、アフター打ち上げカラオケ、本日のコミ1、キャラ1参加された皆様改めましてお疲れ様でした~
また次のイベントやカラオケで皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
それでは~
Blue Featherのスペースに来ていただいた皆様ありがとうございました!
スペースに自分がいない時間に来ていただいた方、申し訳ありませんでした。
差し入れもいただきありがとうございます。
おいしくいただきました。
今日の日記は本日配布した新刊のSSを公開します。
昨日の日記にも書きましたが、本当誰得な内容になっていますので、それでもいいという方はお読み下さい~
「・・・・・・はい、・・・・・・はい、・・・・・・・・・・・・そうでしたか・・・はい、失礼します」
電話をかけてきた人が電話を切るのを確認してから、俺はスマホの終話ボタンをタップした。
電話の相手はいつも作品を応募している大手出版会社の編集部の人だった。
先月に応募したラノベの新人賞の最終選考の結果についての電話だった。
そして、〝今回も″俺の作品は当選することができなかった。
「今回は本当、惜しかったよ。最終選考にまでは残ったんだけどね。
ただ今回は……。いや、なんでもない。
また応募待っているからね」
俺の名前は倉端細矢。
ラノベ作家を目指している、日本本土の大学に通う学生だ。
学年は3年。
ゴールデンウィークが終わり、いよいよ周りは就職か、大学院を受験するか、という話が出始めている今日この頃、俺もこのまま夢を追いかけるべきかそれとも諦め、就職するか、について悩んでいた。
1度目は1次選考。
2度目と3度目は二次選考まではいった。
そして4度目の今回は最終選考。
成長してはいるのだろうが、結果はいづれも落選。
どうするべきかな。
「細にぃ~」
俺が悩み始めたタイミングで、聞き慣れた声が聞こえ、ドアがノックされたが、俺が返答する前にドアが開いた。
「電話終わった?」
「ああ。
しかしお前相変わらずノックの意味を理解してないみたいだな」
「ああ、ゴメン、ゴメン」
さっき知らされた結果もあって、小言を言ってしまう。
入ってきたのは弟の直太。
GWにアクア・エデンに行ったが結局お目当ての店に行けず帰ってきたヘタレな弟である。
「何か用か?」
「これ、細にぃにお土産。
後、改めてあの件に関しては迷惑かけて本当申し訳なかった」
「ああ、もういいよ。これで懲りたろ。二度とするなよ」
かなりアレなことをしようとした弟を許してしまうあたり俺は甘いんだろう。
そんなことに構っていられないという気持ちもあるが。
「お詫びになんかするよ。俺が力になれそうなことない?」
「う~ん、そうだな……」
俺は考える。
あ、そうだ。
「じゃあ、お前ちょっと俺の原稿読んでみてくれるか」
「原稿?」
「ああ、実は俺、ラノベの新人賞に応募してたんだが、」
「ラノベの新人賞!?細にぃが!?」
「あ、ああ……」
「すげぇ、細にぃ作家になるのか!もしかしてさっきの電話ってその連絡!?」
「いや、まあ、内容はそうなんだが……」
「細にぃ?」
「落選の電話だったんだ……」
「……ご、ごめん」
「まあそれはおいておいて、客観的な意見が聞きたくてな。
お前に感想を聞きたいんだ」
「そういう事ね。
わかった、じゃあ早速読ませてもらっていい?」
「ああ、じゃあメールで送る」
「了解」
俺は今までの原稿を圧縮し、直太のアドレスに送った。
「う~ん、面白いんだけど、なんか中途半端」
数時間後。
直太はあっという間に俺の原稿を読み終えた。
「最初の頃のに比べてどんどん面白くはなったと思うし、最後のギャグコメはお色気なんかもあって個人的にも刺さるところがあったんだけど……
そのお色気の部分が特になんか違和感があって、とにかく微妙だった」
「そうか……」
「まあでも真面目な細にぃがあんな展開にできるなんて思ってなかったよ」
「最近の流行りを入れてみたつもりだったんだが……」
「ああ、まあ最近のラノベはそういうの確かに多いね」
「俺も他の作家さんの本を読んで研究はしてみてるんだけどなぁ」
「ところでさ、細にぃは挿絵や表紙誰に描いてもらいたいの?」
「は?」
「ラノベ作家目指すって事は自分の考えたキャラを描いてもらいたいイラストレーターさんくらいいるでしょ」
「…………いや」
「え、マジで?
じゃあ今までどんな風に文章書いてたん?」
「こんな展開になれば面白いなと思って書いていたんだが」
「その時キャラ達の掛け合い意識したら自然とキャラクターが頭に浮かんで来るもんじゃない?」
「そういうものか?」
「……細にぃ、多分これだわ」
「何が」
「違和感の理由。キャラの動きがどうもちぐはぐなんだ。
外見とか性格は説明されてるから、俺はそれを好きなイラストレーターさんが描いたらこんな感じになるだろうと思って読んでたんだけど、違和感を感じたのはそれだったんだわ。
シーンが途切れ途切れになることがあるのは、細にぃがキャラクターがどう動くか意識してないからじゃないかな」
「……そういうことか」
「細にぃの話は面白いと思う。最後のは特に。
細にぃはそこを克服できれば今度こそ……
よし、そうと決まったら細にぃがキャラを描いてもらいたい人を探そうぜ!」
「ああ、早速ネットで調べてみるか!」
直太にアドバイスをもらった俺は早速インターネットで画像を探し始めた。
理想のイラストレーターを求めて。
数ヶ月後。季節は夏真っ盛り。そんな夏の中旬、おぼんの時期に、俺は東京の有明にいた。
あの後インターネットを探していたら、とあるイラストレーターがやっていた生放送を見つけた。
どうやら雑談をしながらイラストを描くという内容らしい。
何気なく見始めたその人の生放送はイラストの顔のラフが半分くらい完成したあたりから目が離せなくなる。
イラストの上手さはもちろんだったが、俺は言葉では言い表せない何か不思議な感情を抱いていた。
その時だった。コメントに今回のキャラは何のキャラかという質問があった。
それに対して、生放送主は答える。
「あ、そういえばまだ言ってなかったね。今回のキャラは端倉細矢先生のウェブ小説、『吸血鬼と闇の実験』に出てくるヒロインの……」
「!!!」
俺は衝撃を受けた。この人が描いているのは、俺が初めて書いてネット公開した作品のキャラクターだった。
イラスト投稿サイトに小説も投稿できるようになったということで、試しに投稿したのだ。
そういえばフォーマットにキャラクターのイラストの作成についてという欄があり、許可にチェックを付けていたを思い出す。
やがて自分が文章で書いた通りのキャラクターが完成した。
「……見つけた…」
「細にぃ?そっか、おめでとう」
「この人が俺の理想の……」
こうして俺は理想のイラストレーターを見つけた。
そしてこの人ならここはこんな風に描くのではないか、ということを常に意識しながら書いた次の作品。
ついに俺は入賞したのだった。
今日はその人のサークルが参加している同人誌即売会に俺は初めて来ている。
初参加ということもあり、右も左もわからない状態ではあったが、なんとか昼下がりに目当てのサークルスペースにたどり着いた。
サークルの机には完売の張り紙。
片付けをしている女性の人に声をかける。
「あの、うりしゃり先生は……」
終
かなり昔に天神乱漫の前原の漫画を作りましたが、久しぶりに原作に立ち絵がないキャラを主人公にした作品にしました。
しかも今回は設定上いるというだけで、ボイスもなければ台詞すら本編に出てこないキャラクター・・・
そして唯一出てくるちゃんと立ち絵とボイスもあるキャラは男性キャラだけという、もう殆どオリジナル作品になってしまいました^^:
しかもこれの続きを夏コミで作ろうとしているっていうね。
あ、でも次回は一応ヒロイン出てきます。
最後に主人公が言う台詞に名前だけ出てるうりしゃり先生がw
あと荷物片付けてるサークルスタッフさんもw
こんな話でもよろしければお付き合い下さい。
それでは最後に昨日のゆいにゃんライブ、アフター打ち上げカラオケ、本日のコミ1、キャラ1参加された皆様改めましてお疲れ様でした~
また次のイベントやカラオケで皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
それでは~