朝霧麻衣の誕生日です
- 2019/08/03
- 08:46
さて今日は8月最初の三太郎の日であり、夜明け前より瑠璃色なのヒロイン、朝霧麻衣の誕生日ですね!
彼女と出会い14年、ムーンライトクレイドル10周年、麻衣の誕生日を記念して、
パソコンを探ったら9年前に書いたSSが発掘されたので再公開したいと思います。
今読むと完全に黒歴史ですが、敢えて公開していきますwww
では本編へどうぞ~
「・・・ちゃん・・・にぃちゃん・・・」
微睡の中、俺は目を覚ました。
「ん・・・」
「おはよう、お兄ちゃん」
「麻衣・・・?あれ、寝ちゃってたのか・・・」
昨晩は受験勉強を夜遅くまでやっていたので、
途中で寝ちゃったらしい。
「もうお兄ちゃん机なんかで寝ちゃだめだよ?
身体壊しちゃったら元も子もないんだから」
麻衣が注意してくる。
「うん、麻衣の言うとおりだな。気をつけるよ」
俺は素直に麻衣に反省の意を示した。
俺は今受験生。
麻衣と恋人になった去年の夏から1年が経っていた。
そして、今日は麻衣の誕生日。
去年は海にデートしに行った事を思い出していると、
麻衣が話しかけてきた。
「さってと、お兄ちゃんも起こしたし、
私も自分のやるべきことやっちゃおうかな」
「やるべき事?」
「そ。お兄ちゃんの朝ごはん作らないと」
「でもその前にやることがあると思うけど?」
俺はいたずらっぽく言う。
「え?」
今度は麻衣が聞き返してくる。
その唇に俺は口付けした。
「きゃっ。もうお兄ちゃんたら・・・」
「まだちゃんとおはようって言ってなかったからね。
それから麻衣、ハッピーバースデー」
「お兄ちゃん・・・」
俺達は見つめあう。
それから時間が経つのを忘れ、愛を確かめ合った。
気が付くとかなり時間が過ぎていた。
最近受験勉強が忙しくて麻衣との時間が減ってしまっていたので、
お互い鬱憤が溜まっていたみたいだ。
そして少し遅くなってしまった朝ごはんを食べ終わったところで、
今一息ついているところだ。
「麻衣、悪いな。誕生日なのに働かせちゃって」
俺が麻衣を労う。
「これくらい毎日やってるんだから苦労でもなんでおないって。だから
気にしないで」
麻衣はそういっていつも笑顔で俺の世話をしてくれる。
それは自分の誕生日でもだ。
対する俺は麻衣にしてやれることと言ったら、
せいぜい好物のアイスをおごってあげられる程度。
「このままじゃまずいよなぁ」
俺は口にしたつもりはなかったのだが、口にしていたらしい。
麻衣に聞かれてしまっていた。
「何が?」
「いやさ、俺麻衣に頼りきっちゃってるだろ?今朝だって・・・」
「だから、お兄ちゃんはそんな事気にしないでいいって。
私が好きでやってるんだから」
「ん~でもなぁ、俺の気がすまないんだ」
「じゃあさ・・・今日は私のお願いを一つ聞いてくれる・・・?」
そういうと麻衣は少し顔を赤く染めながら下から目線で聞いてきた。
「ああ。1つと言わず、俺が出来ることならいくつでもいいぞ」
「ありがとう。でも今日は一つだけお願いしたいんだ」
「そうか?それでそのお願いってなんなんだ?」
「うん、え~とね・・・」
そういうと麻衣は一呼吸おき、
「私と一緒に楽器を演奏してくれないかな?」
と言った。
俺はもっとすごい事をさせられるかと思っていたのでちょっと拍子抜け
してしまい、
「え、そんな事でいいのか?」
と答えてしまった。
「うん。お兄ちゃんと一緒に・・・
またあの時みたいに演奏してみたい・・・」
「でも俺ができる楽器なんて・・・」
正直俺は殆ど楽器に触れる事がなかった。
せいぜい学園の音楽の授業で習う程度だ。
当然ブラスバンドの『ブ』の字も知らない素人だ。
麻衣のフルートとはどう考えてもあわせられないだろう。
そう言って困ってると麻衣が再び質問してきた。
「ねえお兄ちゃん覚えてる?私がフルートを吹きはじめる前は何を使っ
てたか・・・」
俺はそれを思い出そうとしたが思い出せなかった。
「いや、すまん。思い出せない」
俺は素直にその事を麻衣に告げた。
「これだよ・・・」
そういって麻衣がとりだしたのは・・・
古いオカリナだった。
「これお母さんたちの形見にって・・・」
「あ・・・そうか・・・懐かしいな・・・」
俺はそのオカリナの音色を思い出す。
幼心にもその音色のすばらしさは響いてたのを思い出せた。
「そしてお兄ちゃんはこれ」
そう言って渡されたのはソプラノリコーダー。
なるほど、確かにこれなら使えるな。
俺は優しく微笑むとそれを受け取る。
それを受け取った時点で何を演奏するのかはわかっていた。
それは俺が幼い頃に初めて一緒に吹いた思い出の曲。
「それじゃあ2人だけの音楽会をはじめようか」
麻衣が始まりを告げる。
「ああ」
俺がそれに答える。
こうして俺達は昔の事を思い出しながら、
2人だけの音楽会を楽しんだのだった。
Fin
そろそろあいミスのSS書きたいなと思いつつそのあいミスが忙しくて書けていないというね・・・
いつか書きたいと思います。
それではまた~
彼女と出会い14年、ムーンライトクレイドル10周年、麻衣の誕生日を記念して、
パソコンを探ったら9年前に書いたSSが発掘されたので再公開したいと思います。
今読むと完全に黒歴史ですが、敢えて公開していきますwww
では本編へどうぞ~
「・・・ちゃん・・・にぃちゃん・・・」
微睡の中、俺は目を覚ました。
「ん・・・」
「おはよう、お兄ちゃん」
「麻衣・・・?あれ、寝ちゃってたのか・・・」
昨晩は受験勉強を夜遅くまでやっていたので、
途中で寝ちゃったらしい。
「もうお兄ちゃん机なんかで寝ちゃだめだよ?
身体壊しちゃったら元も子もないんだから」
麻衣が注意してくる。
「うん、麻衣の言うとおりだな。気をつけるよ」
俺は素直に麻衣に反省の意を示した。
俺は今受験生。
麻衣と恋人になった去年の夏から1年が経っていた。
そして、今日は麻衣の誕生日。
去年は海にデートしに行った事を思い出していると、
麻衣が話しかけてきた。
「さってと、お兄ちゃんも起こしたし、
私も自分のやるべきことやっちゃおうかな」
「やるべき事?」
「そ。お兄ちゃんの朝ごはん作らないと」
「でもその前にやることがあると思うけど?」
俺はいたずらっぽく言う。
「え?」
今度は麻衣が聞き返してくる。
その唇に俺は口付けした。
「きゃっ。もうお兄ちゃんたら・・・」
「まだちゃんとおはようって言ってなかったからね。
それから麻衣、ハッピーバースデー」
「お兄ちゃん・・・」
俺達は見つめあう。
それから時間が経つのを忘れ、愛を確かめ合った。
気が付くとかなり時間が過ぎていた。
最近受験勉強が忙しくて麻衣との時間が減ってしまっていたので、
お互い鬱憤が溜まっていたみたいだ。
そして少し遅くなってしまった朝ごはんを食べ終わったところで、
今一息ついているところだ。
「麻衣、悪いな。誕生日なのに働かせちゃって」
俺が麻衣を労う。
「これくらい毎日やってるんだから苦労でもなんでおないって。だから
気にしないで」
麻衣はそういっていつも笑顔で俺の世話をしてくれる。
それは自分の誕生日でもだ。
対する俺は麻衣にしてやれることと言ったら、
せいぜい好物のアイスをおごってあげられる程度。
「このままじゃまずいよなぁ」
俺は口にしたつもりはなかったのだが、口にしていたらしい。
麻衣に聞かれてしまっていた。
「何が?」
「いやさ、俺麻衣に頼りきっちゃってるだろ?今朝だって・・・」
「だから、お兄ちゃんはそんな事気にしないでいいって。
私が好きでやってるんだから」
「ん~でもなぁ、俺の気がすまないんだ」
「じゃあさ・・・今日は私のお願いを一つ聞いてくれる・・・?」
そういうと麻衣は少し顔を赤く染めながら下から目線で聞いてきた。
「ああ。1つと言わず、俺が出来ることならいくつでもいいぞ」
「ありがとう。でも今日は一つだけお願いしたいんだ」
「そうか?それでそのお願いってなんなんだ?」
「うん、え~とね・・・」
そういうと麻衣は一呼吸おき、
「私と一緒に楽器を演奏してくれないかな?」
と言った。
俺はもっとすごい事をさせられるかと思っていたのでちょっと拍子抜け
してしまい、
「え、そんな事でいいのか?」
と答えてしまった。
「うん。お兄ちゃんと一緒に・・・
またあの時みたいに演奏してみたい・・・」
「でも俺ができる楽器なんて・・・」
正直俺は殆ど楽器に触れる事がなかった。
せいぜい学園の音楽の授業で習う程度だ。
当然ブラスバンドの『ブ』の字も知らない素人だ。
麻衣のフルートとはどう考えてもあわせられないだろう。
そう言って困ってると麻衣が再び質問してきた。
「ねえお兄ちゃん覚えてる?私がフルートを吹きはじめる前は何を使っ
てたか・・・」
俺はそれを思い出そうとしたが思い出せなかった。
「いや、すまん。思い出せない」
俺は素直にその事を麻衣に告げた。
「これだよ・・・」
そういって麻衣がとりだしたのは・・・
古いオカリナだった。
「これお母さんたちの形見にって・・・」
「あ・・・そうか・・・懐かしいな・・・」
俺はそのオカリナの音色を思い出す。
幼心にもその音色のすばらしさは響いてたのを思い出せた。
「そしてお兄ちゃんはこれ」
そう言って渡されたのはソプラノリコーダー。
なるほど、確かにこれなら使えるな。
俺は優しく微笑むとそれを受け取る。
それを受け取った時点で何を演奏するのかはわかっていた。
それは俺が幼い頃に初めて一緒に吹いた思い出の曲。
「それじゃあ2人だけの音楽会をはじめようか」
麻衣が始まりを告げる。
「ああ」
俺がそれに答える。
こうして俺達は昔の事を思い出しながら、
2人だけの音楽会を楽しんだのだった。
Fin
そろそろあいミスのSS書きたいなと思いつつそのあいミスが忙しくて書けていないというね・・・
いつか書きたいと思います。
それではまた~