【復刻SS】御影須美
- 2016/11/26
- 19:57
週末ということでSSです。
ぶらばん!SS第4弾は須美です~
これもタイトルなかったので同人誌には収録してなかったかもです。
それでは本編へどうぞ~
「須美の部屋を見てみたいなぁ」
「え?」
部活からの帰り道、先輩が言いました。
「何か都合悪い?」
「悪くはないですけど・・・・あの、つまらないと思いますよ?」
「別にそんなの気にしないよ。俺から言い出したんだからさ。
それじゃあ、いつがいいかな?」
「えっと、じゃあ今度の週末にでも。時間は・・・」
そんなやりとりをしたのが数日前。
あっという間に週末になりました。
そして約束した時間にインターホンが鳴ります。
ピンポーン
「は~い」
「香住です。」
「あ、先輩。今、玄関行きますね」
私が玄関に行きドアを開けます。
ガチャ
「先輩、いらっしゃいませ」
「おじゃまします」
「先輩こちらです」
私が自分の部屋に案内します。
「へ~これが須美の部屋か~」
先輩は私の部屋を見渡します。
「落ち着いた雰囲気だね。きちんと整理整頓されてるあたり、 須美らしいな」
「ありがとうございます。あ、座布団だしますね」
「ああ、ありがとう」
「後、私飲み物持ってきます。ご自分の部屋だと思ってくつろいでいてください」
そう伝えて私は一旦部屋から出て行き、
飲み物を二人分用意して部屋に戻りました。
先輩は本棚を見ているようでした。
「先輩?」
「ああ、ごめん。須美もやっぱりこういう漫画好きなんだね」
「あ、はい・・・」
「あ、これ知ってる。昔アニメやってたやつだよね?
クラスの女子が毎週騒いでた。懐かしいなぁ。」
「ええ、私もその作品大好きでした」
「そうなんだ。どんなお話なの?」
「えっと、主人公の女の子は普段は普通の中学生なのですけど、
夜には怪盗に変身して、悪い人達から宝物を盗むんです。
でも主人公の好きな探偵志望の男の子は主人公が怪盗だって知らなくて、
彼女の事を追いかけ続けます。
でもそのうち、彼女が盗むのは悪い人達だけだって気が付いて、
事件で触れ合っていく中で愛が芽生えていくっていうお話です」
私はかいつまんでその作品のお話を先輩にしました。
「最終的にどうなったの?」
「結局最後の方で正体がバレちゃって一悶着あるんですけど、
最終的には結婚する事になりました」
「そうか。じゃあハッピーエンドだったんだね」
「はい。以前私はこの作品の主人公に憧れてて・・・
自分を変えたいなと思っていたのですが・・・
主人公と同じ歳になっても、私自身は変えられなくて悩んでいて・・・
そんな時に出会ったのが杏子ちゃんなんです」
私は杏子ちゃんの事を話しはじめます。
「第一印象はまるでこの作品の主人公みたいな人だなって思いました。
私がいじめられていると助けてくれて・・・
いつも私の味方をしてくれて・・・
ブラスバンドではとても褒めてくれて・・・
私の中で彼女がとても大きな存在になっていきました。
それから親しくなるにつれて、
実は杏子ちゃんもこの作品が好きだって事がわかって、
二人でこの作品について話したりしました。
そうしているうちに私は杏子ちゃんと主人公を重ねてみるようになって・・・」
「そっか、だからあんなに親しかったんだ・・・」
先輩は私の話を優しい顔で聞いてくれています。
「はい。彼女は私の一番の親友です。もちろんそれは今も変わりません。それから実はこの作品の主人公にも親友の少女がいました。 主人公に憧れていた私ですが、
いつしか私はその主人公の親友のようになりたいと思い始めていました。そしてこの作品の主人公の親友がそうだったように、
私も杏子ちゃんの親友に相応しい自分になりたいと思いました。いつか再開するときに胸をはっていられるように・・・」
ここで私はふと自分が話しすぎなのに気が付きます。
「あ、ああ、すみません。私ばっかり話しちゃって・・・ こんなお話つまらないですよね。ついしゃべりすぎちゃって・・・」
私はあわてます。
でも先輩はそんな私の髪を撫でながらこう言いました。
「そういうこと言わない。すぐに自分を否定するの須美の悪い癖だよ。
正直、須美が自分の事、こんなに話してくれて俺はうれしかったよ。
もしかして初めてじゃないか?」
「かもしれません・・・ 私杏子ちゃんとの事を人に話した事ありませんから・・・」
「そっか。須美と伊丹さんの出会いや、
あんなに仲が良かった理由が聞けてうれしかったよ。この作品と、
そして伊丹さんがいかに須美にとって大きな存在だったかわかったし」
そして先輩は一呼吸おいてこう言ってくれました。
「俺もこの作品や、伊丹さんくらいの存在になれるといいんだけどな」
そう言うと先輩は笑顔になりました。
二人で笑い合います。
そして私は心の中でこう思っていました。
(先輩、大丈夫です。既に先輩は杏子ちゃんやこの作品と同じくらい、
いいえそれ以上の存在になっていますよ)
ぶらばん!SS第4弾は須美です~
これもタイトルなかったので同人誌には収録してなかったかもです。
それでは本編へどうぞ~
「須美の部屋を見てみたいなぁ」
「え?」
部活からの帰り道、先輩が言いました。
「何か都合悪い?」
「悪くはないですけど・・・・あの、つまらないと思いますよ?」
「別にそんなの気にしないよ。俺から言い出したんだからさ。
それじゃあ、いつがいいかな?」
「えっと、じゃあ今度の週末にでも。時間は・・・」
そんなやりとりをしたのが数日前。
あっという間に週末になりました。
そして約束した時間にインターホンが鳴ります。
ピンポーン
「は~い」
「香住です。」
「あ、先輩。今、玄関行きますね」
私が玄関に行きドアを開けます。
ガチャ
「先輩、いらっしゃいませ」
「おじゃまします」
「先輩こちらです」
私が自分の部屋に案内します。
「へ~これが須美の部屋か~」
先輩は私の部屋を見渡します。
「落ち着いた雰囲気だね。きちんと整理整頓されてるあたり、 須美らしいな」
「ありがとうございます。あ、座布団だしますね」
「ああ、ありがとう」
「後、私飲み物持ってきます。ご自分の部屋だと思ってくつろいでいてください」
そう伝えて私は一旦部屋から出て行き、
飲み物を二人分用意して部屋に戻りました。
先輩は本棚を見ているようでした。
「先輩?」
「ああ、ごめん。須美もやっぱりこういう漫画好きなんだね」
「あ、はい・・・」
「あ、これ知ってる。昔アニメやってたやつだよね?
クラスの女子が毎週騒いでた。懐かしいなぁ。」
「ええ、私もその作品大好きでした」
「そうなんだ。どんなお話なの?」
「えっと、主人公の女の子は普段は普通の中学生なのですけど、
夜には怪盗に変身して、悪い人達から宝物を盗むんです。
でも主人公の好きな探偵志望の男の子は主人公が怪盗だって知らなくて、
彼女の事を追いかけ続けます。
でもそのうち、彼女が盗むのは悪い人達だけだって気が付いて、
事件で触れ合っていく中で愛が芽生えていくっていうお話です」
私はかいつまんでその作品のお話を先輩にしました。
「最終的にどうなったの?」
「結局最後の方で正体がバレちゃって一悶着あるんですけど、
最終的には結婚する事になりました」
「そうか。じゃあハッピーエンドだったんだね」
「はい。以前私はこの作品の主人公に憧れてて・・・
自分を変えたいなと思っていたのですが・・・
主人公と同じ歳になっても、私自身は変えられなくて悩んでいて・・・
そんな時に出会ったのが杏子ちゃんなんです」
私は杏子ちゃんの事を話しはじめます。
「第一印象はまるでこの作品の主人公みたいな人だなって思いました。
私がいじめられていると助けてくれて・・・
いつも私の味方をしてくれて・・・
ブラスバンドではとても褒めてくれて・・・
私の中で彼女がとても大きな存在になっていきました。
それから親しくなるにつれて、
実は杏子ちゃんもこの作品が好きだって事がわかって、
二人でこの作品について話したりしました。
そうしているうちに私は杏子ちゃんと主人公を重ねてみるようになって・・・」
「そっか、だからあんなに親しかったんだ・・・」
先輩は私の話を優しい顔で聞いてくれています。
「はい。彼女は私の一番の親友です。もちろんそれは今も変わりません。それから実はこの作品の主人公にも親友の少女がいました。 主人公に憧れていた私ですが、
いつしか私はその主人公の親友のようになりたいと思い始めていました。そしてこの作品の主人公の親友がそうだったように、
私も杏子ちゃんの親友に相応しい自分になりたいと思いました。いつか再開するときに胸をはっていられるように・・・」
ここで私はふと自分が話しすぎなのに気が付きます。
「あ、ああ、すみません。私ばっかり話しちゃって・・・ こんなお話つまらないですよね。ついしゃべりすぎちゃって・・・」
私はあわてます。
でも先輩はそんな私の髪を撫でながらこう言いました。
「そういうこと言わない。すぐに自分を否定するの須美の悪い癖だよ。
正直、須美が自分の事、こんなに話してくれて俺はうれしかったよ。
もしかして初めてじゃないか?」
「かもしれません・・・ 私杏子ちゃんとの事を人に話した事ありませんから・・・」
「そっか。須美と伊丹さんの出会いや、
あんなに仲が良かった理由が聞けてうれしかったよ。この作品と、
そして伊丹さんがいかに須美にとって大きな存在だったかわかったし」
そして先輩は一呼吸おいてこう言ってくれました。
「俺もこの作品や、伊丹さんくらいの存在になれるといいんだけどな」
そう言うと先輩は笑顔になりました。
二人で笑い合います。
そして私は心の中でこう思っていました。
(先輩、大丈夫です。既に先輩は杏子ちゃんやこの作品と同じくらい、
いいえそれ以上の存在になっていますよ)